含浸食を採用

硬い食材でも舌でつぶせ、形・色を保つ美味しい食事

私たちの病院は、平成23年3月11日の東日本大震災により全壊しました。そして今年(平成25年)の3月10日には新病院の仮使用が可能となり、新しい病院に移りました。新病院の厨房には、含浸食専用の部屋も設置され、本格的に含浸食による食事の提供ができるようになりました。

1こころの栄養写真提供時の様子 含浸食(凍結含浸食)とは、レンコン、人参などの硬い食材に酵素を用いて調理し、形や色はそのままで、口に入れたら舌でつぶせるくらい軟らかく仕上げることです。これは特許を有している公的機関と使用の契約を結び採用させて頂いています。

含浸食を始めるまでは、高齢の方や嚥下困難な方々に安全な食事形態として、ミキサー食やムース食での食事を提供していました。しかし患者様や病棟スタッフからは何を食べているかわからない、食欲がわかない、食事への楽しみがないなどの意見があり、厨房スタッフも美味しい食事としては本当にこれでいいのか? 満足して頂くにはどうすればよいのか? と思い悩みながら食事を提供してきました。含浸食の採用により今まではあまり言葉を発しなかった患者様が、「これは人参、ゴボウ」などと会話しながら食材を認識して口に運ぶようになったり、「カミカミごっくん」と言うスタッフの掛け声で、咀嚼ができるようになった患者様もいます。

3こころの栄養写真含浸の様子(酵素を染み込ませている) 目で見て楽しみながら食事を摂ることは、患者様にとって心身ともによい刺激になることがわかり嬉しく思いました。

これからは含浸食のレパートリーを増やし、患者様の満足度も高めながら、安全で美味しい食事の提供ができるようにスタッフ一同取り組んでまいります。

医療法人 落合会 東北病院
給食スタッフ一同

NOVA出版刊、―こころを考え、精神科医療を身近にする情報誌―季刊「あしたへ」2013年秋号より